FOOD TEXTILE STORY vol.2
豆からコーヒー、さらにその先へ。
ラテ色のトートバッグは私たちの理念そのものです。
2022.06.15
Blue Bottle Coffee Japan
Brand and Product Director
ブサト麻紀子 さん
Blue Bottle Coffee Japan
Brand and Product Director
ブサト麻紀子 さん
創業時から一貫してサステナビリティを提唱。
澄み切った青空のようなブルーのボトルのロゴが印象的な「ブルーボトルコーヒー」。
2002年アメリカ・カルフォルニア州・オークランドで誕生し、2015年日本に初出店。現在日本国内に24店舗、アメリカ、中国、韓国、香港の国外におよそ100店舗以上を展開している。
世界中のコーヒー豆を自社で焙煎。注文が入ってから豆を挽き、一杯ずつ丁寧に淹れたフレッシュなコーヒーを提供する。
「もともと、アメリカのファーマーズマーケットでコーヒを販売したのが始まりで、創業当初から“サステナビリティ”は大きな柱の一つでした。持続可能なコーヒー豆の生産のサポートや自然エネルギーを活用した電力による焙煎、さらに店内ではガラスや陶器のカップで提供し、バンブーストローも使用しています」と、ブランド&プロダクトディレクターのブサト麻紀子さん。
洗練されたコーヒーショップというだけでなく、地球環境保全への意識が高い企業として認知されていった。
抽出殻に命を吹き込む。それは農家へのリスペクト。
「FOOD
TEXTILEというおもしろい取り組みがある。きっといい融合が生まれるはず」。
FOOD
TEXTILEの話を持ちかけられたのは2021年の夏だった。実はそれまでFOOD
TEXTILEのことは知らなかったというブサトさん。プロジェクトの話を聞き、何か一緒にできることがありそうだと、これまでの取り組みや、染色技術などをリサーチし、“こことなら”と確信を持ったと語る。
「私たちは、“Seed to Cup”
つまり、コーヒー豆からお客様に提供するまで、最後まで責任を持って行動することを常としてきました。このプロジェクトは、さらにその先の抽出殻から製品を生み出すというものですから、当社との高い親和性を感じました。抽出殻に命が吹き込まれることで新たなものとなって蘇る。これは農家さんたちへの敬意を払うことにもつながります」。
ブルーボトルコーヒーとFOODTEXTILEとのコラボレーション企画が動き出した。
日常使いの中でサステナビリティを意識できる製品を。
このプロジェクトを意義あるものにするために、まずはどんな商品を作るべきか、話し合いに時間を費やした。
「ギフト用バッグ、ケースなど、どんな商品ならお客様に喜んでいただけるか、購入していただけるか、かなり話し合った末、決定したのがトートバッグです。今回のプロジェクトを通じて、お客様だけでなく、弊社の社員にも、サステナビリティについて再認識してもらいたかったからです」。いつもそばにあって目に飛び込んでくるものがいい。トートバッグなら日常使いができるから最適ではないかと意見がまとまった。
性別や年齢を問わず、違和感なく使えるサイズ感や持ち手の長さ、形、生地の厚みなどにこだわり、どんな場面にでも溶け込む、シンプルで使いやすいもの。色味は一番人気のラテをイメージした“ラテカラー”をリクエスト。オーガニックコットンの生地を染めることや価格やロットの問題などは、FOOD
TEXTILEからの提案で順調に進んでいった。
ここで壁となったのが色だ。どんな色味でも出せると言われたがゆえに、着地点をどこにするか悩んだとブサトさん。
「色のサンプルは小さな布で見るのですが、それがトートバッグになると印象が変わったんです。最初は色が濃すぎてブルーのボトルとのバランスも気になり、結局変更してもらいました。最終的には社員の意見も聞いて、この色に決まりました。思っていた以上にブルーが映える色だったのは発見でした」。
エスプレッソコーヒーの抽出殻で染めた布は、濃いめのコーヒーにたっぷりのミルクを注いだラテの色そのもの。やわらかな手触りの生地からは、ふんわりとした甘みも伝わってきそうだ。
ものづくりへの熱い想いが大きな刺激に。
2022年4月22日のアースデーに併せて、店頭とオンラインで販売を開始。毎日使っている社員も多く、売り上げも順調に伸びている。今後はアメリカや中国など海外店舗への展開も考えているという。こうしたストーリーのある商品は、海外でも注目を集めることは間違いない。
「商品開発担当者として、コーヒーの殻を使って何ができるかを常に考えていいました。今回、FOOD
TEXTILEとの出会いがとても大きなフックとなり、社員の意識づけという点でも前進したと感じています。また、日本を代表する老舗の大手繊維商社さんが、一歩先を見据えたものづくりに強い想いを持って取り組んでいることに、業種こそ違えど、同じものづくりに関わる我々にとって大きな刺激になりました」。
今後、ブルーボトルコーヒーは、"Coffee in
Nature”をテーマに、店舗のないところでもコーヒーが楽しめるコーヒートラックを走らせていくとのこと。山や海など、そこにある自然環境の中でのコーヒー体験で、人生を豊かに彩ってほしいという願いを込める。
『人と自然をつなぐ』。
コーヒーもFOOD
TEXTILEも見つめる方向は同じだ。新たなシナジーが生まれる可能性が無限に広がりそうだ。
TEXT/ MASHIMO SATOKO
PHOTO/ SHIMIZU TOMOSHIGE
FOOD TEXTILE Item
全国のブルーボトルコーヒーカフェ、公式オンラインストア(https://store.bluebottlecoffee.jp/)
「 ※現在は販売を終了しております。」
※ HUMAN MADE 1928 Cafe by Blue Bottle Coffee, HUMAN MADE Cafe by Blue Bottle Coffee では販売は ございません。